クリーチャーズのポケモンカードゲーム開発チームで、「海外版制作の窓口、国内イベント企画の窓口およびプロダクト管理」を担当する野元。大学は文学部、前職は部品メーカーの営業という“クリエイターではない”彼は、ゲーム会社でどんな仕事をしているのでしょうか? 肩書だけではわかりにくい業務内容と、この仕事の魅力を、本人がご紹介します。
クリーチャーズに入社した経緯
前職は、部品メーカーでBtoBの営業をしておりました。様々なエンジニアの方と取引させていただくことがありましたが、その中で自社の製品を熱意を持って魅力的に語る方々が、強く印象に残りました。
元々ポケモンのゲームを始めテレビゲームが好きでしたので、折角ならば興味を持ってきたことを題材にして仕事をしたいと考えるようになり、何となく転職サイトを見ている時に出会ったのがクリーチャーズでした。また、美術大学や専門学校出身でない自分が、中途でクリエイティブなメンバーと一緒に働けるチャンスかなとも思いました。
仕事内容
ポケモンカードゲームにおけるクリーチャーズの役割とは?
前提として、クリーチャーズが商品企画とデータ開発を、株式会社ポケモンが国内の発売・販売とビジネスプロデュースおよびイベントの企画・運営を、The Pokémon Company InternationalやPokémon Korea, Inc.が海外でのビジネスプロデュースをそれぞれ担っています。クリーチャーズは開発会社として、商品の企画意図やゲーム環境の詳細などを正しく関係各社に伝え、必要なデータをスケジュール通りに納品する責任があります。その窓口となるのが僕のポジションです。
海外版制作窓口業務
ポケモンカードゲームは、日本でつくられたゲームを各国語版にローカライズすることによって、全世界同じルールで遊ばれています。そのローカライズに必要な開発データや情報の管理、スケジュール調整を行うのが主な業務です。北米や欧州、韓国とそれぞれの国によって販売スケジュ-ルや商品の内容、遊ばれ方も異なりますので、それぞれの状況を把握し、社内にフィードバックもしています。
ただ情報を集めるだけでなく、日本の開発状況等の必要な情報を共有し、海外での商品企画を進めてもらっていますので、日々細かなやりとりが必要になってきます。海外とは時差もありますので、定期的にテレビ会議も行いながら、情報の共有を行っています。
国内イベント企画の窓口
主な業務として、イベントで使用される景品等の制作物の進行管理と、イベント内容の提案や調整があります。
ポケモンカードゲームは、日本では定期的に公式大会と呼ばれる大きなイベントを開催しています。前述の通り、イベントの企画と運営は株式会社ポケモンが行っていますが、クリーチャーズは開発会社として、「この商品をどのように遊んでほしいか」という思いを伝え、その思いを実現できるよう、内容を議論したり、時には企画を提案したりして、コンテンツづくりに協力しています。イベント企画の進捗を把握しておいて、円滑に進むように常に社内に共有し、必要があれば企画内容の調整やその窓口もしています。
イベント当日には会場に行き、直に来場者の反応を見たり、改善点を探し出すことも大切です。そうして得た情報を、また次のイベントに向けて議論していきます。
プロダクト管理
これは、国内商品の製造や品質管理に関わる業務です。カードやパッケージを製造している印刷所まで赴いて、仕上がりをその場で確認します。
野元のとある一日
【9:00~】
出社。始業は10:30だが、海外とのテレビ会議のため会社に一番乗り。エアコンを点けるのも重要な仕事だ。


【11:00~】
関係各社に向けた、新商品の企画資料をまとめる。褒められたいので資料づくりはなるべく早く行う。
【12:00~】
新商品の設計について株式会社ポケモンさんと打ち合わせ。
【13:00~14:00】
おひる。少食なのであんまり食べない。あまった時間は仕事に充てたり、趣味の野球情報をチェックしたり、アプリゲームを触ってみたり。
【14:00~15:00】
部の全体定例会。開発メンバーが一堂に集う貴重な時間。
【15:00~17: 00】
新しく決定した制作物の発注スケジュールや、コンテンツ内容などを社内にフィードバック。意見をまとめる。社内外含め、メールを打つ本数は社内では多い方。
【17:00~19: 00】
今日中に海外に渡さなければならないデータをまとめる。不足しているものや内容が不明なものを各所にチクチク確認しにいく。
【19:00~20: 00】
社内資料の更新や明日のスケジュールを確認。訊ねたいことがまた発生すればメールや電話をする。今日打ったメールは約30本。
【20:00】
退社。足早に飲み屋へ。
この仕事の楽しいところ
僕がワザの内容を考えたり、何かをデザインしたりするものではありませんが、そうした色々なクリエイターと接し、間に立っていくことは、日々得るものも多くとても刺激があります。また、窓口として間違いなく物事を伝えていく役割上、商品やイベント全体の細かなことを知り、丁寧に管理していく必要があるので、責任感も伴い大変ですが、そのぶん無事に商品が発売されたり、イベントが開催された時には喜びもひとしおです。
たとえば、以前ポケモンカードジムで「カリンのナイトバトル」という大会が開催されたのですが、イベントの趣旨と「カリン」という人物がマッチしていたので、株式会社ポケモンの担当者さんと協力してうまく落とし込むことができました。
■カリンのナイトバトル(現在は終了しています)
http://www.pokemon-card.com/event/card-event/karin/
対戦の勝ち負けだけでなく、“魅力的なデッキのプレイヤー”を投票で決めるという特殊なルールを採用した大会です。投票1位の缶バッジはこんなデザインが良いのでは、などを提案してまとめあげていき、実現して嬉しかったです。
役に立ったスキル、足りなかったスキル
営業としてお客さまとコミュニケーションを取っていた経験は、社外の方と話をすることの多い今の環境でも役に立っています。社内では外出、出張の多いポジションですが、そうした事も営業の仕事と似通っていたので苦になりませんでした。
今まで全くと言っていいほど触れてこなかった、イラストやデザイン、印刷等については、知識があれば良かったと思うことはたくさんあります。英語力も、普段の業務においてマストで必要なものではないのですが、もっと堪能であれば色々とできる事も増えるだろうと思い、日々勉強中です。
今後のキャリアパス
今は海外、イベント、広報など、自分の担当分野として区切りを持って業務を見ておりますが、ゆくゆくは国内を含め、カード開発業務全体を俯瞰して考えられるようになり、それぞれの良い点などをうまく補完して、プロジェクトマネージャーとしてポケモンカードゲーム全体を見ていけるようになりたいと思っています。
以上、ポケモンカードゲームの制作を広く支える野元の仕事を紹介させていただきました。