はじめまして! ポケモンカード開発本部 カード開発部 デザイナーの岡橋と申します。普段はポケモンカード商品のパッケージ、イベント商品、ロゴなどをデザインしています。
今回は、2017年5月に開催された大型イベント「ポケモンカードフェスタ2017」に関連するデザインを担当させていただいたので、その辺りのお話をしたいと思います。さっそくではありますが、よろしくお願いします。
【岡橋仁志】
主な担当:ポケモンカードゲームの商品パッケージデザイン、イベント関連アートのデザイン、商品ロゴデザイン、広告デザイン
イベント関連のデザインとは?
ポケモンカードゲームでは例年、年に数回ほど大型の公式イベントが開催されます。「ポケモンカードフェスタ2017」は今年の5月に全国3都市(愛知、千葉、大阪)で開催。子どもたちはもちろん、大人のプレイヤーや仲間たち、家族みんなで参加するなど、たくさんのポケカファンが集まる一大イベントです。
その中で、イベントのシンボルとなるロゴや、会場入り口に置かれる大きいバナー、イベント限定オリジナルグッズ、プレイポイントを集めてゲットできる賞品が、イベント周りのデザインの一部です。

イベントバナーや、イベント会場限定デッキシールド、プレイポイント引き換えプレゼントのシールなどもデザインしました。
デザインの意図
「ポケモンカードフェスタ2017」は初めての方からコアプレイヤーまで、どなたでも楽しめるコンテンツが揃ったイベントで、お祭り(フェスタ)がコンセプトとなっています。
そのことを踏まえた上で「イベントロゴ」「Tシャツ」「ティーチングコーナーで使う説明書」の3つを紹介したいと思います。
1.イベントロゴ
この時のテーマは「読みやすさ」「お祭り感」「楽しくて勢いがある」です。
形状は読みやすいように1行でまとめ、ロゴの上部に動きをつけて立体感を加えることで勢いを表現し、色味をレインボーにすることでお祭り感や楽しさを出しました。
ただし、表面全体をレインボーにすると読みにくく暗めの印象になってしまう恐れもあるので、白のハイライトを広めに入れ、色も薄くし、読みやすく明るいロゴデザインにすることも意識しています。
……と文章で説明をしましたが、下の画像をご覧ください。
こちらはデザインパターンの中の一案です。
極端な例ですが、これだけでイベントの印象が大きく変わります。このデザインだと、幅広い世代に楽しんでもらうには可愛い印象に寄りすぎではないかと考えました。また、形状も単調で勢いも感じられません。このように幅広く複数のデザインパターンを考えつつ、最終的にテーマに合ったデザインを制作しています。その中で決まったのが今回のイベントロゴになります。もちろんロゴだけでなく、すべての制作物を、イベントの趣旨やユーザーに合ったデザインにしていきます。

ロゴは、会場内の案内パネルやグッズなどいろいろなものに使われます。
2.Tシャツ
イベント内でポイントを集めると、そのポイントに応じてプロモカードやグッズなどがもらえます。ポイントを貯めるにはさまざまなコーナーに参加したり、バトルをしたりします。このTシャツをもらうには、多くのポイントが必要です。バトルでたくさん勝ったりしなければいけないので、手に入れるのが大変です。
そのため絵柄の部分は、手に入れたプレイヤーを讃える金色にし、年齢・性別問わず着られるようシンプルなデザインにまとめています。
また、カードの共通面やエネルギーマークも入れて、ポケモンカードゲームならではのデザインにしたことも大切なポイントです。これを手に入れた人には、ぜひ誇りを持って着ていただきたいです。
3.ティーチングコーナーで使う説明書
こちらは、初めてポケモンカードゲームをプレイする方に向けた説明書です。ティーチングコーナーではこれを見ながらカードで対戦して、遊びかたをおぼえてもらいます。もちろんスタッフも付いていて、スタッフの人にも読みやすいようにする必要がありました。
紙面は、1回の自分の番を1ページに収めて読み進めやすくしています。また、相手の番で相手が何をするかも書いているので、自分がすることと相手がすることを色分けしてはっきりと区別しました。この説明書は何人もの社内スタッフが内容を確認し、説明書通りに遊んでみるなど、試行錯誤した上でデザインを進めてきたので、結果として読みやすくわかりやすいものが出来上がったのではないかと思います。
これで遊びかたをおぼえて、ポケモンカードゲームの楽しさを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
イベントでデザインの反応を確認
イベント会場に行けば、自分がデザインしたものがいろいろなところで使われているのを見ることができます。そして来場されているみなさんの反応や身につけているグッズなどを見て、良かった点や改善すべき点を振り返ります。その反省を活かし、より喜んでもらえるよう今後もイベント周りのデザインを続けていきたいと思います。
最後までお読みくださってありがとうございました。