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JULY 18, 2014

『aDanza』コラボ企画:『aDanza』で踊っているアルパカをフェルトアーティストさんに作ってもらったら、こんなのができました

クリーチャーズからリリースされたばかりのiPhoneアプリ『aDanza』では、リアルな3DCGの生き物たちが音楽に合わせてそれぞれの得意のダンスを披露してくれます。その中でも癒し系フェイスとキレキレのダンスとのギャップで女子人気NO.1の呼び声も高いアルパカをフィーチャーするため、クリーチャーズはフェルトアーティストの青木さんにコラボレーションをお願いしてみたそうです。

3DCGのアルパカをモコモコアートで表現

クリーチャーズが開発した『aDanza』は、自分のiTunesに入っている音楽にのって、3DCGの生き物たちが踊ってくれるミュージックプレイヤーアプリです。生き物たちのバリエーション選定は、クリーチャーズの「動物のスタンダードは各人捉え方が違って当たり前!」という考えのもと、数ある候補の中からアルパカ、カエル、カブトムシが選ばれています。
あえてリアルに再現された動物たちが踊ってくれるのが『aDanza』の面白さのひとつですが、その『aDanza』の世界観をもっと広げてアートな表現ができないか、ということで白羽の矢が立ったのが、若手フェルトアーティストの青木春菜さん。リアルなアルパカをモデルして青木さんに創作してもらったらどうなるかということで、この企画はスタートしたそうです。

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正面と横から見るとこんな感じです

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アルパカを作ってくれた青木春菜さん

青木さんは、8年くらい前からフェルトや羊毛で作品を作り続けているフェルトアーティストです。最初に作ったのは、オリジナルの「シャモジ」というキャラクター。のちに、その母体となる「mother shamoji」を制作し、自らの頭をそれに突っ込んで「シャモジ」の世界を体験できる作品が話題となりました。その後も、フェルトや羊毛での制作を続け、70体以上のオリジナルキャラクターのグループ「フェルトン星人」など独自の作品を生み出し続けています。

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「mother shamoji」 テーマは人類救済。人間の怒りや悲しみを食べるマザー。それを糧に新たな仲間を生み出し続ける。

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フェルトン星人たち

フェルトとの出会いは、子供の頃の手芸本

そんな青木さんにフェルトとの出会いを聞いてみると、「幼稚園か小学生くらいのときに、おばあちゃんの家でフェルト手芸の本を見つけたんです。それは母の高校時代に流行っていた大高輝美さんのフェルトマスコットの本で、わたしもその本を見ながら、かわいいヘビとかを作っていました」とのこと。
その後しばらくはフェルトから遠ざかっていたそうですが、大学2年生のときに再びフェルトでの創作を始めることになります。「大学で情報デザイン学科というところに入ったのですが、コンピューターに向かって画面上で創作することが全く向いてなくて…。2年生になったときに自分の手を動かして作品を作りたいと思うようになって、何をしようか考えていたら子供の頃フェルトでマスコットを作っていたことを思い出したんです」。
それ以来、青木さんはフェルトでの制作を続け、大学院の卒業制作でもフェルトを重ねた断面を地層に見立てた作品STRATUMを発表するなど、ますます表現の幅を広げています。

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青木さんを囲んで、クリーチャーズから参加した制作メンバー。左からアゴウさん、モリヤさん。

今回のアルパカプロジェクトには、クリーチャーズから若手の女子が集められました。それぞれ、いつもは次のようなお仕事をされています。
アゴウさんは、映像アーティスト兼『aDanza』ディレクター。モリヤさんは、『ポケモンカードゲーム』開発チームでデータチューニング担当とのこと。

羊毛フェルトは、とにかく刺す

今回の企画について青木さんは、こんな風に話してくれました。
「いつも自分で自由に思い描いたキャラクターを作っているのとは違って、元のデザインがあるものを作るのが新鮮で楽しかったです。アルパカについては、4、5年前にテレビCMか何かで見た印象が残っていましたが、この『aDanza』のアルパカはそのままですごくかわいいんですよ。よく見ると黒目にうっすら光も入っていたりして、よく作り込まれているんですよね。なので、正面、横、後ろなど、いろんな角度の画像をもらって、忠実にデッサンするようなつもりで作りました」

今回青木さんはクリーチャーズから「せっかくなのでアプリ同様、踊れるアルパカにしたいので、関節が可動式になるようにしてほしい」との依頼を受けたそうです。
「そこで骨組みを針金で作ることによって、自由な動きができるような作りにしました。最初に、頭からお尻、前足、後ろ足にそれぞれ針金の骨組みを作って、そこに羊毛で肉付けして作っています。羊毛は、少しずつ増やしていきながら、専用の針で何十回、何百回と刺して密度を高めていきます。羊毛での制作は、肉付けしては刺して固めていく、という地道な作業の繰り返しなんですよ(笑)。
体の形がほぼできあがって動かしてみたときに、思ったよりも針金の骨組みが弱くてうまく踊りのポーズをつけられなかったので、途中で針金を追加して前足と首の骨組みを補強しました。作業中にフェルトを付け足してフォルムを変えていったり、骨組みのパーツを足したりできて、羊毛フェルトは創作の自由度が高いんですよ。

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ふわふわの羊毛を、針で刺して形を整えていきます

形を作る上で難しかったのは、首と胴体のバランスですね。アルパカって意外と首が太くて、ちょっと不思議な形をしているんですよね。あとは、四足動物を二足で立たせるので、現実ではあり得ない関節の曲がり方や伸び方をさせなくてはいけません。それによって出てくる、しわとか変化する形にも気を配りましたね。表面をモコモコさせたり、ちょっとグレーの羊毛を混ぜたりしています。
我ながら出来には満足しています(笑)。気に入っているところは、お尻から足にかけての丸みのある、かつ、筋肉質で弾力のあるフォルムと、キラキラした目ですね」。

今回のチャレンジで、「動物本来のフォルムの可愛らしさ、面白さを再確認しました。これを機に、身体の構造を考えながら作る動物シリーズを展開しようかという新たな目論見が生まれました」という青木さん。彼女のこれからの活躍にも注目していきたいですね。

クリーチャーズ特注のアルパカに、制作メンバーも大満足!

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完成したアルパカの出来映えには、依頼したクリーチャーズスタッフも大満足とのこと。制作メンバーから次のようなコメントをもらいました。

アゴウさん

「完成したアルパカと対面してまず思った事は、『リアル!』そして『なんて愛らしい表情なんだろう!』…でした。
青木さんに制作していただいたアルパカは、アプリ内の印象を保ちつつも個性的で、今にもしゃべりかけてきそうな表情をしています。『aDanza』のセンター的なポジションであるアルパカの世界観がさらに広がり、とても嬉しいです。開発中には気づかなかったアルパカの魅力を再発見できました」

モリヤさん

「制作途中で触らせてもらったときは羊毛特有のふわふわ感がありましたが、完成したら硬いしっかりした感触になっていました。針で刺すだけでこんなになるなんてびっくりです。
瞳に星のラインストーンがあって、リアルさの中にもかわいらしさがあります。目や口を簡単に付け替えられるパーツのアイデアにも驚きました。体も自由に動かせるところが、まさに『aDanza』のアルパカです」

 

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正面と横から見るとこんな感じです

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モコモコ感を見事に表現。白だけではなく、微妙にグレーなどを混ぜて立体感を増しています。

お客様各位

いつもaDanzaで遊んでいただき、ありがとうございます。
この度aDanzaは、2018年7月18日をもってサービスを終了させていただくことになりました。
リリースから4年、当初の予想をはるかに上回る130万ものダウンロード数を達成できましたのも、ひとえに皆様のおかげです。アプリを楽しんでくださった皆さま、応援してくださった皆さま、これまで本当にありがとうございました!

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